2018-02

カレンダー

01 | 2018/02 | 03
- - - - 1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 - - -

プロフィール

森 ゆみ

Author:森 ゆみ
アート、絵本、ミステリ、歴史(特に伝記)、料理の本を愛読しています。趣味は日本刺繍の絽ざしとガーデニング。英語講師、映画やアートの産業翻訳、出版翻訳を営業中です。このブログは子供のころから大好きなマイケル・ジャクソンのことを書いて始めましたが、現在はおもに翻訳関係の記録用に使っています。

最新記事

Categories

月別アーカイブ

最新コメント

ユーザータグ

ブログ内検索

リンク

このブログをリンクに追加する

RSSフィード

QRコード

QRコード

FC2カウンター

PR

『風立ちぬ』より
2016/12/10(土) 12:43:05
風立ちぬ(抜粋) 堀 辰雄



そんな日の或る午後、(それはもう秋近い日だった)私達はお前の描きかけの絵を画架に立てかけたまま、その白樺の木陰に寝そべって果物を齧っていた。砂のような雲が空をさらさらと流れていた。そのとき不意に、どこからともなく風が立った。私達の頭の上では、木の葉の間からちらっと覗いている藍色が伸びたり縮んだりした。それとほとんど同時に、草むらの中に何かがばったりと倒れる物音を私達は耳にした。それは私達がそこに置きっぱなしにしてあった絵が、画架と共に、倒れた音らしかった。すぐに立ち上がって行こうとするお前を、私は、いまの一瞬の何物をも失うまいとするかのように無理に引き留めて、私のそばから離さないでいた。お前は私のするがままにさせていた。

風立ちぬ、いざ生きめやも。

・・・・・
<<村上春樹の翻訳について 『草原の輝き』>>
Comment












この記事のトラックバックURL
http://yumi835.blog17.fc2.com/tb.php/2760-d46ecceb
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

 |   |