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中島梓さんの『小説道場』と視点についても少し

翻訳をする上で、視点の問題というのがよく出てきます。
そこで、視点についてあやふやなわたしに先輩が薦めてくれた本がこれ、『小説道場』。中古のアマゾンで入手。視点以外でも、中島さんの熱血指導が爽快で楽しくて、一気に読みました。

●一人称は「ぼく」ないし「私」が見、体験するものしか、書けなくて、「私」が存在していないシーンは絶対に書いてはいけない、という重大な制約がある。ギャップは「伝聞」という方法で埋める。
●SFを書くなら、用語、景色、すべてをあるSF映画の中として想像し、統一しなさい。~~ザツじゃ書けない。
●(大切なのは、)書くことへの熱気。
●物書きの基本は人をアッといわせようということ
●すぐれた時代小説の特質は、現代人が着物をきて歩きまわっているようなんでなく、キャラクターの精神と感性そのものが、その時代の人物であることだ。 注)例として杉浦日向子が挙げられている。
●会話中に擬音を入れない!
●文章力をつけたいなら、とにかくたくさん本を読むこと。ことに、名作といわれている文学作品をひととおり。読んでたらよみかえす。
●参考文献:駒田信二『私の小説教室』三島由紀夫『文章読本』
●小説とは、ストーリーではなく、描写である。
●「ほど」「ように」「ぐらい」とひらいて書こう。ちょっとアマチュアくささがへる。
●自分のいちばん書きたかったものを考え、どう書けばいちばん、読んだ人にはっきり伝わるか、を考えてごらん。
●アイデアをもっている場合、何回か、ラストまで歯をくいしばってがんばっているうちに、少しずつ地力がついてくるといいと思う。
●「文がウマイ」のは顔のブサイク・美人と同じでかなり天性の素質がものをいう。だからといって、お化粧とか整形とか、いろんな救いの道があるんだから気をおとすことはない。
●つまんないことを難しい漢字にするのはやめなさい。
●ヘンな文語っぽい文章をムリにこさえるでない。いつもあたながお手紙や日記に書くのがあなた本来の文体だ。それがいちばんチャーミング。
●ヘタなうちはあんまり気取った文章や形容はせぬこと。センテンスは短く簡潔、言いたいことを過不足なく伝えるのがいちばんキレイ。

……それに、どこかに書いてあったけど、「どうしても書かずにはいられない、という気持ちがあふれて人はモノを書くべきで、そうじゃなきゃ他人を感動なんてもちろんさせれない」という文にも共感。(すみません、ちょっと細かい所は違ったかもです)
……あと、お話の中に入りこんで、その登場人物になりきって芝居をするように文を書け、というようなこともどこかに書かれていたような。それも「なるほど!」と深く納得しました。
もちろん、中島さんは物書きを目指す人々のために書いてらっしゃるのですが、翻訳の道にも通じるものが多かったです。
そして、本全体に彼女の小説と弟子たちへの愛情が溢れていて、読んでるだけで幸せな気分になりました。

*****************

古本で1と同時に2も入手していたので、こちらも一気に読みました。1のときほどのワクワクはちょっとなかったですが、それは飽きっぽいこちらに問題があるのかも。
中島さんに自分の生き方すら問われているような熱い内容は変わらず。
小説にかぎらず、あらゆる創作活動に通じるものがあると思います。

●文章は極力、平らかに、平らかに。そこに文があることなど、気づかせぬのがいい。
●ヘタでも人をひきつけてやまないということがある。(例としてデビュー当時の平井和正や赤川次郎)
それに、音楽の世界でも、岩崎宏美は松田聖子に勝てない。
●どれだけ自分のエネルギーを才能という形に変換してゆけるか。こうなりたいと強く思えば、その人はそうなれる。
●人に受入れられないのじゃないか、笑われるのじゃないか、私だってちょっとしたものなのだ、どうせわかりゃしないだろう――そんなことをもし少しでも感じたとしたらかなぐりすてなさい。時間のムダだ。あなたと世界の間にあなたの小説をおくのだ。あなたと小説の間に読者をおいてはいけない。ストレートに、もっと無条件に自分の書きたい小説とキャラに自己陶酔することも必要である。
23:28 | ◇翻訳 | comments (0) | trackbacks (0) | edit | page top↑
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